【労働災害の様相が変わっている?】近年の労災事故の変容と傾向について

税金・社会保険・労働関係

こんばんは、kanariyaです。

今回は労災事故に関するトピックを取り扱いたいと思います。
「労災事故」と聞くと真っ先に思いつくのが農業や林業、建設業や製造業といったいわゆるブルーカラーの方々を想像します。大型の重機を取り扱いますし、機械に手や足を挟まれたりといったことが容易に思い浮かびます。産業分類でいうと農業や林業は第一次産業、建設業や製造業は第二次産業にあたります。第一次産業とは自然から資源を採取する業種をいい水産業もここに含まれます。また第二次産業は第一次産業により採取された自然物を加工や生産する業種を言います。建設業や製造業以外にも鉱業、採石業などが当てはまります。
一方、これらに当てはまらないのが第三次産業となります。主に金融業、保険業、小売業、電気ガス業、情報通信業、サービス業が該当します。わが国だけでなく全世界的に見てもこのような産業構造は変化してきており、第三次産業の割合が増加してきています。それに伴い労働災害も時代と主に変化しています。

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第三次産業で労災事故が増加傾向

厚生労働省が発表している労働災害発生状況(2021年12月末時点)で休業4日以上の死傷者数で著しく、全産業で123,165人に対し、第三次産業では65,569人と半数以上を占めています。中でも驚きなのが、前年同期比では15,329人と30.5%も増加しています。(全産業では前年同期比は19.8%増加しています。)第三次産業の中で最も多いのが保健衛生業、次いで商業、接客・娯楽業と続いています。子県衛生業で多くを占めるのが社会福祉施設、商業では小売業、接客・娯楽業では飲食業で割合が高い傾向にあります。この3つに業種についてはほとんどの都道府県労働局で行政運営方針の重点業種として挙げられており、今後も力を入れていくとのことです。

災害の原因と増加傾向にある理由

労働者死傷病報告によると、労働災害の原因は転倒27.3%、その他(主として感染症に関する労働災害)17.8%、墜落・転落17.4%、動作の反動・無理な動作16.2%,挟まれ・巻き込まれ11.7%。切れ・擦れ6.4%、その他26.0%となっています。
こに3つの業種で増えている理由の一つが労働者の高齢化にあります。今後も高齢化が進んでいくと予想されますので対策は喫緊の課題ともいえるでしょう。
なお、転倒災害の主なパターンは「滑る」、「つまづく」、「踏み外す」の3つだそうです。一般的には、床面に水や油がこぼれていて滑った、足元がよく見えずに階段を踏み外したなどといった災害事例が多くみられる。
業種別では、社会福祉施設場合、利用者の居室センサーがなったことにより急いで対応に向かった際に転倒、入居者を誘導する際の転倒が目立ちます。小売業では、サービスカウンター内の足元にある配線カバーにつまづき転倒、大量のダンボールを抱えて階段を昇降中に足元が見えずに転倒というケースが報告されています。

行政の対応

厚生労働省では、労災を減少させた事例を紹介したリーフレットを作成しています。さらに「STOP!転倒災害プロジェクト」、「『見える』安全活動コンクール」への参加の呼びかけや、「高年齢労働者の安全と健康の確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」の活用を呼び掛けています。
一方、積極的に労働災害の防止を図ろうとしている労働局、労働基準監督署も見られます。
愛媛労働局では、社会福祉施設で転倒災害が増加していることから、事業者向けにリーフレットを作成し高齢労働者に配慮した対策江尾講じるように要請しています。また、新宿労働基準監督署では「社会福祉施設における労働災害防止対応事例」「小売業における労働災害対策事例」を作成し、東京労働局のホームページ上で公開しています。(社会福祉施設の例で言えば、訪問介護の際の自転車による転倒事故が多いことから事業主に安全運転指導やアドバイスを行っている、入浴介助作業時に使用するサンダルを滑りにくいものに変更したなど。)

終わりに

今回はおそらく初めて労災についての記事を書きました。労災事故が徐々に増えていることはなんとなく知っていましたが、改めて数字を出してみてみるとより実感できます。
また、ここでも少子高齢化の影響が出ているなとも感じます。近年高齢化に伴い介護施設が増加しているのですが(以前は別のお店だったのに気づいたら介護施設になっていたなんてことありませんか?)、そこで働く人も若い人だけで構成されているわけではありません。また、早朝にコンビニに立ち寄るとレジや品出しをされている方が年配のケースもよく見ます。

少しでも働けるうちは働きたい、老後の生活のために頑張ろうという姿勢は私も見習いたいものです。今の時代はお客さまが立ち入る場所に対してだけ配慮するのではなく、従業員の健康に配慮した職場環境作りを求められています。生産年齢人口が減少傾向にある中、高齢労働者であっても貴重な労働力となります。事業主には少しでも労働災害を防ぐ義務がありますし、従業員側も健康に配慮した生活を心がけていく必要がありますね。

それでは本日もご覧いただきましてありがとうございました。

参考:令和3年労働災害状況(12月速報値)令和3年における労働災害発生状況について(12月速報値)STOP!転倒災害プロジェクト(厚生労働省)新宿労働基準監督署からのお知らせ

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