【社会保険】2022年算定基礎届の書き方・注意点②

税金・社会保険・労働関係

一般的な方法によって報酬月額を算定できない場合や算定結果が著しく不当になる場合は、保険者等(日本年金機構または健康保険組合)が特別な算定方法により、報酬月額を決定することとしています。この算定方法を保険者算定と言います。(健康保険法第44条、厚生年金保険法第24条)

スポンサーリンク

一般的な方法によって報酬月額を算定できない場合

育児休業中等で報酬を受けていないとき

4月・5月・6月の各月とも報酬の支払いがない場合は休業直前の標準報酬月額で決定されます。(従前標準報酬等級月額)また、病気等で休業しており報酬の支払いがない場合、4月・5月・6月の各月とも支払基礎日数が17日未満のとき(パートタイム労働者を除く)も同様になります。

注意していただきたいのが、4月・5月・6月の各月とも報酬の支払いがない方であっても算定基礎届の提出は必要だということです。(算定基礎届の提出が不要の場合は2種類のパターンに該当した場合のみのため)

これらに該当する方がいた場合、算定基礎届の⑱の備考の欄に5.病休・育休・休職等に〇をつけて提出します。

昇給の差額分が支給されたとき(遡及昇給)

遡り昇給があり、4月・5月・6月の3ヵ月のいずれかの月に、その差額支給があったときは、算定基礎月前の昇給差額分を除いて計算します。

例えば、昇給が2ヵ月遡って3月・4月分の差額(8,000円×2ヵ月分)が5月の支払われたときは算定基礎月前の差額(3月分)を差し引いて計算します。

支払基礎日数基本給諸手当・残業3月昇給差額分合計
4月31日224,000円12,000円0円236,000円
5月30日232,000円10,000円16,000円258,000円
6月31日232,000円12,000円0円244,000円
賃金台帳(例)

単純平均した報酬月額=(236,000円+258,000円+244,000円)/3=246,000円

修正平均した金額=(738,000円-8,000円)/3=243,333円(本来支払われる3月分を除きます

標準報酬月額=健康保険240,000円・厚生年金保険240,000円

昇給の差額分が支給されたとき(修正平均)

4月・5月・6月の給与の一部が7月以降に遅配されたとき

4月・5月・6月の3ヵ月の給与のうち、一部が遅配になり、7月以降にずれ込み支払われる予定の場合は、遅配となった月を除いた残りの月の合計額を平均した額を記入します。

例えば、6月の給与の一部(5日分80,000円)が遅配となり、7月以降に支払われる予定の場合は、遅配となった6月を除いた4月・5月の2ヵ月間の合計額をその月数「2」で除して計算します。

支払基礎日数基本給諸手当残業手当合計
4月31日352,000円10,000円12,500円374,500円
5月30日352,000円10,000円8,300円370,300円
6月31日272,000円10,000円4,200円286,200円
賃金台帳(例)

単純平均した報酬月額=374,500円+370,300円+286,200円≒343,666円(1円未満の端数は切り捨て)

修正平均した金額=(374,500円+370,300円)/2=372,400円(6月分を除きます

標準報酬月額=健康保険380,000円・厚生年金保険380,000円

※備考⑱の9.その他の欄に修正平均した理由を記入しましょう。

遅配月を除いた修正平均

低額の休職給を受けたとき

この場合は、休職給を受けた月を除いて計算します。(一時帰休の場合は後述)

例えば、私傷病等により4月・5月は60%の休職給を受けた場合、4月・5月分を除き6月分のみで計算します。(「休業手当」については、定時決定や随時改定の対象となりますのでご注意ください。)

※備考⑱の9.その他の欄に低額の休職給を支給した旨を記入しましょう。

低額の休職給を受けたとき

3ヵ月平均額と年平均額の間に2等級以上の差が生じるとき

業務の性質上、4月・5月・6月の3ヵ月間が繁忙期の会社(例えばお茶摘みの仕事)などは、この3ヵ月の報酬を基に年間の標準報酬月額を計算されてしまうと不公平が生じます。

この場合、4月・5月・6月の3ヵ月間の報酬を基に算出した標準報酬月額と、前年7月から当年6月までの1年間の報酬の月平均額(支払基礎日数が17日未満を除く)によって算出した標準報酬等級月額の間に2等級以上の差があり、この差が業務の性質上、例年発生することが見込まれる場合は申立てにより過去1年間の月平均報酬月額により標準報酬月額を算定することが出来ます。

この場合、算定基礎届の⑱の備考の欄に8.年間平均に〇印をつけ、添付書類として「年間報酬の平均で算定することの申立書」(事業主記載)及び、「保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意等」(被保険者記載)を併せて提出します。

事業主の申立書
本人の同意等

一時帰休により「低額な休業手当等」が支給されたとき

新型コロナウイルスの影響で、一時帰休の問い合わせがかなり多くなっています。

今まではあまり注目がされていなかった項目なのですが、今回改めて理解しておく必要があります。

まず、一時帰休(使用者の責に帰すげき自由による休業)により、4月・5月・6月のいずれかまたはいずれも低額な休業手当等を支払われた場合の標準報酬月額の決定については、7月1日時点で一時帰休の状況が解消しているかどうかで取り扱いが変わります。

定時決定(算定基礎届)時における7月1日の時点の一時帰休の解消とは、7月1日時点で、現に低額な低額な休業手当等の支払が行われておらず、その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがない場合を言います。

7月1日時点で一時帰休の状況が解消していない場合

休業手当等が支払われた月を含む4月・5月・6月の平均額により決定します。(一時帰休解消後に随時改定に該当する場合は月額変更届を提出します)

※備考⑱の9.その他の欄に一時帰休の開始月と休業手当を支給した旨を記入しましょう。

一時帰休未解消

7月1日時点で一時帰休の状況が解消している場合

4月・5月・6月のうち、通常の給与で支払われた月における報酬月額の平均額により決定します。(4月・5月・6月の全ての月で通常の給与が支払われなかったときは従前の額で決定します)

※備考⑱の9.その他の欄に一時帰休が解消したことと、現在は通常の報酬がを支給している旨を記入しましょう。(4月分の支給は算定の基礎に含めません)

一時帰休解消

なお、新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより、2等級下がった場合には3ヵ月連続の低額の支給を待たずに翌月から標準報酬月額を健康できる手続があります。(特例の月額変更)

令和2年の4月から一時的に開始したのですが、令和4年4月から6月において急減月が発生した場合は手続きが可能です。(期限は8月31日まで)

参考

定時決定(算定基礎届)(日本年金機構ホームページ)

【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業により著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定のご案内(令和3年8月から令和4年6月までに報酬が急減した場合の特例措置が講じられました。)(日本年金機構ホームページ)

コメント

タイトルとURLをコピーしました