【雇用】ぶっちゃけどうなの?ハローワークの実態と闇

キャリアアップ

転職活動をするに際して、多くの人が求人サイトや転職エージェントを利用する方が多いと思います。もしくは、気になる企業のホームページから直接採用応募するケースもあるでしょう。最近は転職活動自体もそうですが、転職する方法も多種多様になっています。

一方で、ハローワークの求人を見て転職をする方もいらっしゃいます。ハローワークは厚生労働省管轄の行政団体のため、転職=ハローワークのイメージを持っている方もまだまだいらっしゃると思います。

しかし、ハローワークの印象ってあまりいいイメージがしないと思う方も多くいると思います。実際にハローワークは年収が低い求人が多いとか、ブラックな求人が多いという声もちらほら聞きます。

また、ハローワークは失業している人が失業保険(基本給付等)を受給するためにいくところであり、現在正社員の方が敢えてハローワークを利用しようと思う方は少ないのではないでしょうか。

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ハローワークは利用するべきか

結論から申し上げますと、ほとんどの方にとってハローワークを利用するメリットは多くないと言えます。これについては以下で説明します。そして、ハローワークの活用方法もお伝えします。

メリットが少ない理由

転職やキャリア形成についてのスペシャリストではない

ハローワークは元々失業している人の早期再就職や、失業させないようにするための役割を担っています。昭和22(1947)年、第二次世界大戦後の経済混乱期で失業問題が大きな問題となっていました。こういった社会情勢を背景に、「被保険者が失業した場合に失業給付金を支給し、その生活の安定を図ること」目的とし、失業保険法(現在の雇用保険法)が施行されたという背景があります。

ですから、前提として、一個人の転職のサポートを最初から最後まで行うといったサービスや、キャリアアップのための相談などを行う機関ではないというところが民間の人材紹介会社や転職エージェントと違うところだということを認識する必要があります。

そのため、職員の多くは転職支援のノウハウや求人を見定める能力はあまりありません。また、ハローワークの求人紹介の窓口の職員は毎年3月31日まで任期付有期雇用の職員がほとんどです。実際に求人票を見たことがあるのですが、必要なスキルはExcelやWordなどパソコンの操作方法が出来れば他に特別な資格がなければいけないいうことはありません。

ですので、その求人がブラック企業なのか判断がつかなかったり、求職者に適した求人の提案ができないといったことが起こります。

ただ、最近はキャリアコンサルタントの資格や前職で人事や採用の経験を持った人が応募している状況だということを聞いたことがありますので必ずしも当てはまるわけではありません。

「人材」を募集しているわけではない

全ての企業に言えることではありませんが、ハローワークに掲載している企業は「人に対する考え方」の認識が薄いように感じます。(あくまで経験上の肌感覚です。)

経営が好調な企業は同じ職場で働く人をとても大切にしています。もっと言えば人に投資をしています。実際にお金をかけるという意味の投資もそうですが、労働者と密にコミュニケーションをとったり、採用までのプロセスをきちんと構築したうえで応募をかけるといった時間の投資を念入りにしています。

一方、ハローワークで求人をしている企業の多くは、労働者というより労働力を求めている企業が多いように感じます。いわゆる人に対する投資をする意識が希薄なように感じます。

求人票に応募書類等という項目があるのですが、ごくたまに面接時に持参という企業を見かけます。その場で履歴書や職務経歴書などを初めて見て正しい判断ができるものでしょうか。仮にできたとしても面接に要する時間はあがりますし、応募者が複数いる場合が管理が煩雑になります。

採用した人がうまく職場に適用できるように時間をかけてでも長く働いてほしいというよりも、いかに人件費を少なく抑えられるかといった方にフォーカスしているように感じます。

もちろんそうであったとしてもそれが悪いとは思いません。しかし、そういう採用をしている会社は離職率が高いという現実もあります。また、その会社でしか通用しない独自ルールなどを設けているところも多く社員がなかなか定着しません。次に紹介する内容にもつながりますが、結局また採用活動をするということになってしまいます。

入職者数ノルマの存在

民間の人材紹介会社もそうですが、ハローワークにも入職者数という目標数値があります。これは求人倍率や離職率などの統計を取るために必要なものでもあります。

ただ、人材紹介会社の場合は求人企業との間でキャンセル規定付の契約を結ぶのが一般的です。これは、雇用のミスマッチ等により早期の離職が発生した際に紹介手数料の一部を返金しないといけないという内容になっており、紹介会社側も取引先の企業とトラブルにならないように事前に紹介前に入念に求職者のことをリサーチした上で紹介します。採用された人材が入社後にその会社で活躍できるよう求人を紹介するように努力をするわけです。

一方、ハローワークは「職に就かせること」が目標となっています。ハローワークは無料職業紹介事業者ですから求人者から手数料をもらうわけではありません。よってビジネスとしての契約はなく返金規定も当然ありません。

ですから、入社後のことを考えずに転職先を紹介してしまうケースが多くあります。その結果、上記でも述べた通り、早期離職が増え人材が定着しないといった現象がたびたび起こるわけです。

また、ハローワークの求人票掲載期間は、その日を含めて2ヵ月後の末日となっています。その日が到来する前に求人者に掲載の延長をするか職員が確認するのですが、ほとんどの求人者が継続と答えますし、取下げを申し出ない限り自動的に掲載が延長する仕組みになっています。(いわゆる回転求人。)

結果、募集していないのに求人しているカラ求人が掲載されている状態が発生したり、いい人材が応募してきたら面接しようという企業が多くなり、求職者との間でズレが生じてしまうことになります。

このシステムは本当に何とかした方がいいと思っています。離職率や完全失業者数を減らしたいのであれば入り口部分の体制を強化するべきだと思います。

ハローワークを活用するメリット

人材紹介会社や求人媒体経由で内定を取るのが困難な方

簡単に言えば、業界未経験であったり職歴が乏しい方です。民間企業である人材紹介会社や求人媒体は費用をかけて採用活動をしているため選考が厳しくなりがちです。そのため、ハローワークの求人より内定を得る難易度がかなり上がってしまいます。

人材紹介会社の場合、紹介手数料も結構な額になりますので、未経験者だけど年齢が若いといった理由だけで採用することも少なく即戦力で優秀な人材を求めます。そのため書類選考すら通らないケースが多い方はハローワークの求人システムの利用をオススメします。

地方での転職を検討している方

一般的に見て首都圏の求人数が圧倒的に多いです。東京都だけの場合でも都心部と都下でも求人数は全然違います。これは都市部に企業が集中しているということがあげられますが、大手の求人媒体に多額の費用をかけられないといった事情もあります。

そういった企業ではハローワークで募集をかけている企業もまだまだありますので、優良求人が掲載されている可能性は大いにあります。

まとめ

ハローワークを利用して転職活動をするメリットが少ない理由として、

1.転職やキャリア形成についてのスペシャリストではない
2.「人材」を募集しているわけではない
3.入職者数ノルマの存在

をお話ししました。

個人的には転職を考えている方は、民間の求人媒体を利用しつつ、ハローワークを利用するのがいいと思います。民間の求人媒体に載せている企業でもハローワークの求人に出しているケースもよくあります。自分のこれまでの経歴や今の環境から一番良い転職方法を見つけてみてください。

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