【厚生年金保険法】厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書の添付書類の省略について

税金・社会保険・労働関係

こんばんは、kanariyaです。

タイトルが長くてすみません。(これが届書の正式名称なもので・・・)

本日は試用運用期間としていた厚生年金保険養育期間標準報酬特例申出書の添付書類の取扱いについて、令和3年10月11日以降の届書に関して、個人番号を活用した地方自治体との情報連携により、住民票の省略ができることになりました。

これにあたり、当該申出書様式に新たに「養育する子の個人番号」の欄を追加になりました。

「申出者」と「養育する子」双方の個人番号の記載がある場合、同一住所確認に係る書類(住民票の写し)が省略できることになります。

そもそもこの制度をご存じないという方もいらっしゃると思いますので軽く説明いたします。

厚生年金保険法第26条第1項で、「3歳に満たない子を養育し、又は養育していた被保険者又は被保険者であった者が、主務省令で定めるとことにより実施機関に申出をしたときは当該子が3歳に達した日の翌日の属する月の前月までの各月のうち、その標準報酬月額が当該子を養育する子ととなった日の属する月の前月(「基準月」)の標準報酬月額(この規定により当該子以外の子に係る基準月の報酬報酬月額が標準報酬月額とみなされている場合にあっては、当該みなされた基準額の標準報酬月額。以下「従前報酬月額」という。)を下回る月については、従前報酬月額を当該下回る月の老齢厚生年金等の額の計算に用いる平均標準報酬額の計算の基礎となる標準報酬月額とみなす。」としています。

はい、何言ってるかよくわかりませんね。よくわかりますw

もともとこの条文が施行された背景は、次世代育成支援の拡充を目的とし、子どもが3歳までの間、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それにともなって標準報酬月額が低下した場合、子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みが設けられたものです。

簡単に言えば子供を養育するのに標準報酬が下がって将来もらえる年金が減少してしまうなら子育てに専念できないじゃんということで、子供を養育する前のバリバリ働いていていたときの標準報酬月額(従前報酬月額)で将来の年金額を計算してあげますよってことですね。

この条文の関連で平成29年にも法改正があり、同年1月1日より以下の子についても対象として追加となりました。
①養親となる者が養子となる者を監護することとされた期間に監護されている当該養子となる者(以下「監護期間中の子」という。)
②里親である労働者に委託されている児童(以下「要保護児童」という。)

そこで、今回の改正点ですが、もともと、この書類の添付書類は、

①戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書(申出者と子の身分関係お
よび子の生年月日を証明できるもの)
※申出者が世帯主の場合は、申出者と子の身分関係が確認できる住民票
の写しでも代用可能。
②住民票の写し(申出者と子が同居していることを確認できるもの)
が必要でした。※双方とも(提出日から遡って90日以内に発行されたものかつコピー不可。)

ここで注意点が2つあります。

1つ目は住民票は申出者と当該子が同居していることが要件となっている住民票の省略が可能になっただけであり、情報連携後も申出者と当該子の身分関係及びこの生年月日が確認するための戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書は省略の対象となっていないこと

2つ目はもともと電子申請にも対応している申出書ではあるのですが、システムの未改修のため、当該子の個人番号を入力する欄がないため、現時点では⑯の備考欄に当該子の個人番号を記載することです。

なお、2つ目についてはシステム改修中のため、今年度中には整うとのことで、また改めて機構から公表があると思いますが、いまだに紙ベースの対応がメインとなっており、電子申請の普及にはまだまだ時間がかかっているという点です。

政府が育児休業取得率の向上に力を入れているのはみなさまご存じだとは思うのですが、労働者が安心して育児休業を取得したり、人事労務部がスムーズに対応してあげられる環境を作るのも政府に課せられたことであると思うのです。特に男性の育児休業率が驚嘆に低いとことがわが国の特徴であり、企業に取得させることをお願いしているのであれば、それに応える企業側や取得申出者の事務負担を軽減するための措置も提供するべきだとは思います。

ちなみにこちらの届書書ですがタイトルの通り厚生年金保険のみに関するものであり、健康保険は対象にならないので注意してくださいね。(年金絡みなのであまり気にすることもないと思いますが念のため。ちなみに提出先は管轄年金事務所または広域事務センターでOKです。)

ちなみに政府は両立支援等助成金(仕事と家庭の両立支援に取り組む企業への制度)も設けてありますのでこちらはまた別で取り上げたいと思います。

本日は少し内容が薄いテーマとなってしまいましたが、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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