【雇用保険法】「助成金」という存在

税金・社会保険・労働関係

こんばんは、kanariyaです。

今回は抽象的なテーマになってしまいますが、みなさんは「助成金」と言えばどういうイメージをお持ちでしょうか?

「なんか所定の要件を満たしていればタダでお金が入るんでしょ?」
「手続きがめんどくさそう」
「申請してからも審査が遅そう」
「入金までの時間が長そう」

こんな感じでしょうか^^;

だいたいは合ってます。助成金の種類によって審査や入金(決定通知)までは異なりますが、ほぼ共通しているのは手続き(下準備)が煩雑なことです。

特に、生産性要件が必要だったり、計画書が必要だったり・・・

ただ、それ以前にもっと重要なことがあります。

それは「雇用保険適用事業所であること」、「労働者が存在すること」です。

は?何言ってんの?って思いますよね。法人であれば雇用保険適用事業所でしょうし、そこで従業員として働いている者(委託等は除く)がいればこれは当たり前のことです。

しかし、私は過去に何度もこの条件を満たしていない企業の方とお話しをしたことがあります。

少し補足しますが、「雇用保険適用事業所であること=雇用保険を納める必要があること」でもあります。

私がお話を伺った企業のうちのある企業がまさに雇用保険の滞納をしていました・・・雇用保険も言葉通り「保険」ですから、保険料を納付していて保険事由が生じた際に給付が受けられるというのは民間の保険となんら変わりません。

実は当時私が勤めていた会社の上司が上記企業の社長様と親しかったらしく、ある助成金の申請の手伝いをしてくれないかと頼まれたのがことの始まりでした。

それでその上司とその会社に伺い、雇用保険の事業所情報をいただこうとしていた際にこれが判明しまして、上司にはなんとかしろーと言われ、なかなか焦ったのを思い出します。もちろん就業規則などあるわけもありませんでした。

もう一つ、「労働者が存在すること」と述べました。これは労働基準法第9条の労働者を指しているのですが、「”労働者は労務を提供して使用者は対価として賃金を支払う”ことは当然として、さらに使用者は労働者をきちんと管理監督していること」を求めています。

例えば、賃金台帳、就業規則(常時10人以上の労働者を使用する場合)、労働者名簿などは労働基準法が別途条文にて使用者に義務付けています。

ですので、労働者が存在している場合には助成金の申請をするかしないかにかかわらず、使用者は労働者の管理をしなければなりません。(善管注意義務)

ですので、 「雇用保険適用事業所であること」、「労働者が存在すること」 は助成金の申請をする際はもちろん、普段から当たり前にしておくべきことなわけです。保険料の滞納は口座振替を利用していれば特に心配はいりませんが、出勤簿、賃金台帳をつけていない企業はホント多いですよね。

これらがないと時間外労働などの計算もやっていないことになりますし、仮に完全月給制の労働者がいたとしたら、月給を実労働時間に基づいて時給換算すると各都道府県の最低賃金を下回っていることもザラに発生してしまいます。

「助成金」というのは国が求めている事項をクリアしていることを条件に給付するというインセンティブみたいなものです。

例えば、雇用調整助成金であれば、休業手当を支給しています、売上(生産高)が減少しています、などという事実が発生している証拠を国が求めているわけです。(あくまで損失した部分の補填という位置づけであるということです。)

私は権利を主張するのは全然いいと思う派です。が、それはその前に自らの義務を履行していることが前提にあると思っています。

先ほど私が対応した社長さんのご依頼は、保険料滞納という事実が発覚した時点でやんわりとお断りをしました。(というより要件不備のため申請できなかったんですけどね。)

ただ、仮に保険料を納付していたとしてもお手伝いしていたかどうかは微妙です。賃金台帳や出勤簿、就業規則等は作ろうと思えば作れますが、助成金給付ありきで動くのは私のポリシーというか真意に反するのです。まあ当たり前のことと言えば当たり前なんですが・・・経営者としてお金に敏感なことはいいことだとは思いますよ。

さて、本日は別のことを書こうと思ったのですが、先日とある人事労務関係の方とお話をしていて助成金の話になり、当時のことを思い出してしまったものでw

それでは、本日も最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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