そろそろ年度も変わる時期。色とりどりの分厚いコートが並んでいた街並みも今はすっかり春らしいパステルカラーの服装をしている方々が目立ってきているように思います。
この時期から何か今までの自分を変えたい、4月から変わってやると意気込む人も多いと思います。
人はなかなか変わることのできない生き物だと言われています。性格は変えられないと言いますし、人から言われて始めたことも最初のうちだけでなかなか続かない。そんな経験をしたことがある人はきっと私だけではないと信じています。
新しいことを始めるというとイメージが付きやすいですが、いざ実行するとなると先延ばしをしてしまう、変わりたいとは思っているけどじゃあ何をすればいいのかわからない。そんな方も多いと思います。
良くも悪くもなんとなく現状を打破したいと思っている方は是非最後までご覧ください。
新しいことを始めたい方
新しいことを始めたいと明確な何かをお持ちの方は、まずは新しいことを始めるためには何をするべきか考える必要があります。
例えば、筋トレを始めたいと思っている人は何のために筋トレをするのでしょうか。
健康のためと答える人もいるでしょうし、異性にモテたいから、夏の海水浴に向けてナイスバディになりたい・・・いろいろな理由があると思います。
大切なのは何のためなのかという「目的」をあらかじめ決めておくことです。
人間という生き物は弱いもので、「変わる」ということを苦手としています。現状維持バイアスという言葉があるように、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用が無意識にはたらきます。もし何かをして嫌な思いをするならこのままでいいや、と思ってしまうということですね。
これに対処するために目的を持ちつつ「継続」をしていく必要があります。
人間ってつくづく不思議な生き物だなと思います。
特に用がないのにYouTubeを観たり、ボーナスやポイントを得るために毎日アプリを起動してログインをしたり、ただ何となくネットショッピングをしたり・・・結局現状維持というより無意識に「楽」を選んでいるんですよね。
今の時代が便利だなと思う一方で怖いなと思うのが、身近にいろいろな誘惑が潜んでいることです。
ある動画を観たらお終いに「あなたにオススメの動画」なんて出てきたり、Amazonでお買い物しようものなら「これを買った方はこちらの商品も見ています」なんて出てくるものだから、本来の要件ってなんだっけとなってしまい、気が付いた頃にはもうこんな時間となっていることがあります。
新しいことを始めたいと思う方はまずそれを行う目的と時間の確保、そしてとりあえず継続をすることです。習慣化さえしてしまえば、逆にそれがないこと、それをしないことに違和を感じたりなんか気持ち悪いなと思うようになります。ここまでくればおそらく結果は自ずと出るようになるはずです。
ただなんとなく漠然と変わりたいと思っている方
逆に変わりたいけど何をしたらいいかわからない、ふと寝る前にこのままでいいんだろうかと考えてしまったり、何もしたくないと思っている方もいるのではないかと思っています。
むしろ実はこちらの方が多いのではないと思っています。
例えば、平日は職場と家の往復、休みの日は疲れていて体が動かない、プライベートも上手くいかない、ただ何となく時間だけが過ぎているような感覚。気が付いたら月曜日。私にも経験がありますのでよくわかります。
こういうときは「何かをやめてみる」というのも選択肢に入れてあげるといいのかなと思います。
お酒をやめてみた、そうしたら寝つきがよくなった
お布団に入る前にスマホを観ないようにした、そうしたら睡眠の質が良くなった
お菓子を食べるのをやめてみた、そうしたらご飯がおいしく感じるようになった
現金を持たないようにした、そうしたらムダな出費が減った
不要なものを買わないようにした、そうしたら今あるものを大切に使うようになった
それだけでなく部屋もきれいになった
まだまだあるのですが、これはすべて私の実体験です。
マンネリ化していた生活に嫌気がさしていた頃、お金もかけたくないけど何か変わりたい。面倒なことはしたくない、簡単にできることから始めたい。ものすごいわがままで自分勝手だなと今でも思います。
そんなとき1日24時間、1週間168時間、自分がどのように時間を使っているかざっくりと振り返ってみました。その時気づいたことは予想以上に余計なことをしているということでした。
その結果、自分が思っている以上にいろいろなモノを背負っている、自分の関係のないことにまで関与している、どうしようもないことに執着していることに気が付きました。
有名な作家であるスティーブン・R・コヴィー氏の著書に「7つの習慣」というものがあるのですが、その書の中に関心の輪と影響の輪という概念があります。前者は自分では変えられないこと、後者は自分自身で変えられることとしており、後者の輪を広げることを意識して行動せよとあります。
この本は読んだこともある方が多いでしょうし私も今でもたま読み返したりするのですが、有名人のゴシップ、明日の天気、上司の機嫌など自分の影響が及ばないことに時間を消費してしまうのはなんかもったいないなと思うようになりました。
減らすことで変わること
私自身普段からモノを増やしすぎず不要なものは極力減らすようにしていますが、減らすことで感じたことを3つご紹介します。
経済的余裕ができる
これは改めて述べる必要はないとは思いますが、少なくとも浪費、散財といった類のことはなくなります。ないものを手に入れることで解消するストレスはほんの一瞬で、時間が経つとこんなものウチにあったっけ、なんで買ったんだろう、いつ買ったっんだろうといった思いをすることはほとんどなくなりました。冷静さを失っているとこそ冷静な判断をすることが大切になるものだと思います。
心にゆとりが生まれる
単純にモノが多いと管理が大変になります。ここでいう「モノ」とは、形として存在する「物」だけでなく、目に見えない無形な「もの」も含むと解釈してください。データなどをイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。
物が多いと家などの場所を圧迫します。データなどのモノが多いと脳が圧迫します。これらを少しづつ調整してあげることで自然と気持ちに余裕が出てきます。管理する者が少なくなると自分自身の時間も増えます。人間は余裕があると優しくなれると思っています。余裕のなさは怒りや悲しみといったマイナス感情を生み出す原因となり得ます。
定期的にモノと向き合う時間を設けてあげましょう。物が少ないと掃除もしやすいですし、精神的にも衛生的にも健康でいられるような気がします。
今あるものの大切さを今以上に大切にするようになる
これが一番感じていることです。もう使わないだろうな、今の自分にとって必要ないなと思ったモノは他人に譲ったり、捨てたりしていますが、それでも残ったモノは今の自分にとってまだ必要なものだと再認識できます。それがめったに使わないモノであっても、身近にある当たり前のモノであっても自分が必要だと感じているということです。
すると、必要のないと判断されたモノ選抜から残ったモノに対して自然と愛着が湧くというか、今以上に大切にするように思えてきます。
無理に減らすことはNG
そのときの勢いで無理に減らそうとすることだけは避けてください。これは習慣として定期的に行うことであって、誰にでも有効とは思わないですし、年末の大掃除のような一時的なこととは違い、普段から何気なく意識している結果で生まれてくる感情の一つのようなことだと考えています。
新しいことに挑戦するにしても、諸々の余計なことをやめてみること。インストールする前にまずアンインストールするものがあればそちらを優先すること。
自分自身を変えたいと思ったらやめてみるという選択肢も入れてみてはいかがでしょうか。
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