【労働一般】次世代育成支援対策推進法改正予定(2022.4~)

税金・社会保険・労働関係

こんばんは、kanariyaです。

今日は久しぶりにちゃんとした?内容になります。

タイトルにもあるように次世代育成支援対策推進法の改正に触れたいと思います。

来年の4月から改正予定の同法ですが、そもそもこの法律を聞いたことがない方も多いと思います。

平成15(2005)年の7月に施行された法律なのですが、その目的は「わが国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ、(略)次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し、もって次代の社会の担う子どもが健やか生まれ、かつ、育成される社会の形成に資すること」としています。

この法律の特徴は、

①スポットを少子高齢化ではなく少子化に限定したこと、

②成立時は10年間の期限付きの法律(これを時限立法、有限法と言います。)であること

です。

だいたい「少子」とくれば「高齢化」がセットになるのですがこの法律は名前の通り子どもに焦点を合わせた内用になっています。

まあ、「高齢化」については労働法だけでも高年齢者等雇用安定法なんかもありますしね。

で、私が初めてこの法律の存在を知ったとき時限立法なのかとういうことでした。

そもそも設立が平成15年というと、すでに少子化になっていましたよね。現に生産年齢人口(ざっくりいうと15歳以上65歳未満のいわゆる就労しているであろう現役世代)は平成7年を境に減少傾向がみられています。平成初期には少子高齢化が危惧されていましたので、だいぶ遅い措置だなあという印象でしたね。

そして、国が10年かけて集中的、計画的に取り組もうとしていたわけですが、案の定うまくいかず、現在の有効期限は平成26年の改正によりさらに10年延長され、平成37年3月31日までとされました。

元号変わっちゃたよって感じなのですが、それだけ少子化(高齢化もですが)の対策が遅れているのがわが国の現状なのです。

少子化が進むと労働力の確保が困難になり、市場の規模が縮小されますので雇用環境を整備しましょうねと事業主の責務として掲げました。

とても簡単に言うと、日本の社会経済国内向けのサービスばかりになってしまうとガラパゴス化(いわゆるガラケーも日本向けの携帯電話のことですね)のように国際社会で孤立しちゃうからなんとかしてねってことです。

結局は事業主に丸投げかいと思いますが、とりあえず法の趣旨がわかったところで、具体的な内容と法改正部分を見ていきたいと思います。

まず、国が指針を定め、事業主は行動計画を策定してその計画の通りに実行してくれた企業には優良企業としてお国が認定してあげるよってなります。

この事業主に該当する企業の規模は「常時雇用する労働者の数が100人を超える」とされています。

(ちなみに100人を超える企業は現在約4万7000社ほどしかありません。)

そしてこの行動計画の作成が義務化されており、100人以下の事業所は努力義務とされています。

そして、先ほど触れたお国の認定というのがそうみなさんご存じの「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク」です。(知らない方はGoogleで検索してくださいね。)

この認定基準なのでですが、改正が予想される内容のうち、男性の育児休業等の割合が変わりそうなのです。

現在のくるみん認定基準は以下の①または②を満たす必要があります。

①計画期間において、育児休業等のをした男性労働者の割合が100分の7以上であること

②計画期間において、育児休業等及び育児目的休暇制度を利用した男性労働者の割合が100分の15以上であり、かつ、育児休業等をしたものに数が1人以上であること

ですが、この基準が

①計画期間において、育児休業等をした男性労働者の割合が100分の10以上であること

②計画期間において、育児休業等及び育児目的休暇制度を利用した男性労働者の割合が100分の20以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイトに公表していること、かつ、育児休業等をしたものに数が1人以上であること

一方、プラチナくるみん認定基準は、

①計画期間において、育児休業等のをした男性労働者の割合が100分の13以上であること

②計画期間において、育児休業等及び育児目的休暇制度を利用した男性労働者の割合が100分の30以上であり、かつ、育児休業等をしたものに数が1人以上であること

と上記の①または②を満たす基準ですが、改正後は、

①計画期間において、育児休業等をした男性労働者の割合が100分の30以上であること

②計画期間において、育児休業等及び育児目的休暇制度を利用した男性労働者の割合が100分の50以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイトに公表していること、かつ、育児休業等をしたものに数が1人以上であること

となる予定で、めちゃくちゃハードル上がってますw

そもそも男性の育児休業取得率は約12.65%(ホントにそんないます?)と低いレベルなのでまずそちらのテコ入れが必要だなと思いますし、育児休業取得期間が5日未満が約57%、8割以上が1か月未満というのが今の日本の現状です。

正直1日でも取得すれば上記「育児休業等を取得した男性労働者」としてカウントできてしまうので、もう少し育児休業を取得しやすい職場環境を形成するべきだとは思います。仮に土日とくっつけて5日間の育児休業を取得しても次世代育成に貢献できますかね?そもそも10年の時限立法にした時点で現役で働いている労働者からしたら、少子化が10年で解決できるとは到底思えないってツッコミが入りそうですよねw

とまあ、メインの改正点は以上なのですが、今後は現行のくるみん認定基準に相当する制度を別途定める「トライくるみん認定」も設けられる予定になっています。

くるみん認定されている企業の方は今後の改正に注目してくださいね。

とまあ、今日はマイナーな法律に触れましたが、くるみんマークの認定を受けている事業主は約3,000社、プラチナくるみんの認定を受けている事業主は約600社ほどしかありません。

設立時の目的にある「次代の社会の担う子どもが健やか生まれ、かつ、育成される社会の形成に資する」が実現してくれることを私は切に願っています。(これ以上税金、保険料が上がるのしんどいですしw)

それでは、本日もご覧いただきありがとうございました。

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