【節約・倹約】可処分所得について考えよう!

お金・金融

こんにちは、kanariyaです。

最近、裁判例や働き方改革についての記事が多かったので、今回はリラックスして読んでいただけるような内容にしたいと思います。

もともと私のブログのコンセプトは、実務を通じて労働・社会保険諸法令等の仕組みや法改正以外にも、知っているとお得だけれども、知らないと損になってしまう税金、社会保険等に関したお金のお話もあるため、今回は後者に視点を当てていきたいと思います。

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可処分所得とは?

さて、タイトルにある「可処分所得」という言葉がご存じでしょうか?
可処分所得とは、給料やボーナスなどの所得から、税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入、つまり自分の意思で使える部分を指します。個人の購買力を測る際のひとつの目安になります。
可処分所得から生活費を控除した部分が貯蓄に回ります。ちなみに可処分所得に対し、消費支出に回った額の比率を消費性向、貯蓄に回った額の比率を貯蓄性向といいます。経済学を学んだことがある方はよくご存じだと思います。(限界貯蓄性向、限界消費性向ってやりませんでしたか?)

さて、近年この可処分所得が増えているでしょうか、それとも減っているでしょうか。
答えは後者の減少傾向になります。答えはわかったけど理由がわからなかった方は是非ご覧ください。

可処分所得の推移(1990代前半)

可処分所得のついて、1986年から現在までの変遷を見ていきたいと思います。
1985年といえば、スーパーマリオブラザーズが販売された年です。(どうでもいいですね。)この年の平均可処分所得は約240万円です。(ちなみに私が今回参考にした厚生労働省の資料では「等価可処分所得」をもとにデータを算出しています。等価可処分所得とは世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値のことで、わかりやすく言えば、世帯所得を世帯員数で割ることです。例えば世帯の可処分所得が600万円で2人世帯の場合は等価可処分所得は600÷2=300万円となります。この記事では可処分所得≒等価可処分所得と認識いただいてOKです。)
この翌年の1986年にはドラゴンクエストⅠが発売になりました。(そろそろ自重します。)1986年の末からみなさまご存じのバブル景気へ突入します。私はよく存じ上げないのですが、アッシー君、めっしーくん、ミツグくん、ジュリアナ東京、マハラジャなどがバブル期の俗語として使われていたようですね^^;(よく知らないのでご存じの方いらっしゃいましたら教えてください。)バブル時代は1991年あたりで崩壊しすることになるのですが、可処分所得は1997年まで上昇傾向になっていきます。

可処分所得の推移(1990代後半)

1997年ピークに可処分所得は減少傾向になっていきます。
これはバブル崩壊の影響もあるのですが、消費税による影響も考えられます。
もともと、1989年4月からDAIGOさんのおじいさまこと竹下登内閣総理大臣がバブル期にしれっと導入しました。その後8年で3%から5%に引き上げられました。当時は消費税は娯楽施設利用税や物品税やに代わるものとして創設されましたが、後に社会保障と少子化対策に活用するとしました。(後述)
この当時から「高齢化社会」(総人口に占めるおおむね65歳以上の老年人口(高齢者)が増大した社会のこと、65歳以上の高齢者人口(老年人口)が総人口に占める割合を「高齢化率」と言います。)という言葉をよく耳にしたと思いますが、1995年時点ですでに「高齢化社会」から「高齢社会」になっていました。
高齢化社会とは、高齢化率7~14%、高齢社会とは14~21%、と約5人に1人は年金受給者となっていたわけです。
厚生労働省の分析によると「1997年をピークに減少に転じたが、近年は概ね同水準で推移している。」としています。一方「税・社会保険料の金額は、1994年以降、概ね同水準で推移しているが、等価総所得に占める割合は増加傾向にある。」ともとらえています。そりゃ税率、社会保険料率を上げてるんだからそうなるでしょうよと思いますが。
また、別のデータになりますが、平均月収はピーク時の1997年頃から最低値の2013年頃まで37万1000円から31万5000円(△5万6000円と約15年間で15%)も減少しています。これはバブル崩壊やリーマンショックで景気が悪化したこともありますが、企業が内部留保を進め、人件費への配分を抑えるようになったことも理由の一つと言われています。なお、2019年のデータでは、平均年収は約320万円ほどになっています。
これらからわかることは、近年では、可処分所得はほぼ横ばい、平均年収は減収傾向となんかおかしく感じます。年収は下がってきているのに自由に使えるはほとんど変わってないってありえますかね。

国民負担率の増加

国民所得に対する税金と社会保障負担の合計額の割合を国民負担率と言います。

平均年収は10年前も2011年は約315万円でしたので、現在では少し持ち直している感はありますが、その代わりに負担が増えたものがあります。代表的なものが消費税と社会保険料です。

また消費税かよと思いますよね。2014年4月1日から2019年9月30日まで8%、2019年10月1日から10%となっているのはご存じのとおりです。なお、現在の消費税は軽減税率が適用されています。
身近な例でいえば、飲食店で飲食をする場合は10%、持ち帰り、テイクアウト、宅配の場合は8%となっています。テイクアウトしてイートインスペースでお食事をされている方をよく見かけるのですがこれは制度としてわかりにくい部分ではあります。
そもそも平均年収が減少傾向にあるなか、消費税の増税ってどうなんでしょうか。
消費税法第1条第2項では、「消費税の収入については(略)毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」(2012年改正)としており、超高齢社会のわが国の現状では理には適っているとは思います。
しかし、消費税は逆進性という特徴があります。(所得が低い人の負担が所得の高い人に比べて相対的に高くなること)。例えば、私が100円のコーヒーをコンビニのレジに持っていくと100+100円の10%の10円で計110円かかります。一方、ブルジョワ大富豪が同じ商品をレジに持っていっても同じように110円で買えてしまいます。
このように、所得税のような累進税とは違い、富裕層と貧困層で負担率が同じという性質をもっていますので貧富の差が拡大するといわれています。(消費税増税は法人税の減税の穴埋めとも言われていますが実際のところどうなんでしょうね。)

次に社会保険料です。その中でも健康保険料、国民年金保険料及び厚生年金保険料についてですが、2021年4月現在、健康保険料は保険者によってバラつきはありますが、協会けんぽを基にすると全国平均11.8%(介護保険料含む)、国民年金保険料は16,610円の定額、厚生年金保険料は18.3%となっています。ここに雇用保険料が加わりますから、月収の約30%も社会保険料で源泉控除されています。ここに所得税と住民税が乗っかってきます^^;以前何かの記事で触れましたが、日本人の傾向として実際に支払われた金額(口座に入金された額)を見る方が多いらしく、いくら引かれたかはあまり見ていない人が多いようです。(私はガッツリ見る派なんですがみなさんはどちらでしょうか?)
総じて収入の約35%が源泉控除されてしまうのです。

その他にも相続税、金融所得税(株式の配当や投資信託で得た利益について課される税金)などがあげられます。株やFXなんてやらないよっているかもしれませんが、現在政府が投資を進めているのあり少しばかり聞く機会も増えているかと思います。しかし金融所得税も2014年に利益の10%から20%と大幅に上がっています。今後も増税がうわさされています。
あとは身近なところだと、酒税、たばこ税なんかわかりやすいですよね。私はたばこはやらないですし、お酒も付き合いでのときくらいで自宅では一切やりません。お酒の席は好きなんですけどね。
たばこは直近だと2020年10月に増税しましたが、1985年4月時点で200円だったものが現在540円で販売されています。(マイルドセブン(現メビウス)。)その540円のうち334円がたばこ税ですから、20本入りのたばこのうち約12本は税金というわけです。恐ろしい。

どんよりした現状を打破するには・・・?

ここまで、暗ーい話題ばかり取り扱ってきましたが(すみません)、今後私たちはどうすればすればいいでしょうか。

バブルの再来を期待しますか?減税を期待しますか?スマホ1台で家にいながら誰でも楽に稼げるという情報商材を買いますか?、年末ジャンボ宝くじに全財産を賭けて10億円当てて浪漫飛行へin the skyしますか?
私にはどれもピンときません。一番合理的だと思うのが空いた時間に副業が考えられます。別に本業のほかにアルバイトを掛け持ちしましょうと言っているのではありません。
今は、自分の知識を売る時代になっています。何か得意分野を見つけてそれを収入につなげていくというのが時代には合っています。また、今すぐそれは難しいよという方には単発のアルバイトなんかは入りやすいと思います。私も何度か経験したことがありますが、特別な知識は必要なく登録制のため好きな時間に働けるのは大きなメリットだと思います。
あとは、非課税のNISAやiDeCOなどの制度を利用することなどがあります。

いずれにせよ、自発的に動かないと損していることが多くなる時代です。ふるさと納税なんかが代表格です。税負担は仕方ないとある程度割り切って自ら進んで知識を取り入れることが重要になってくるのではないでしょうか。
ただ、常にアンテナを張っているのは難しいと思うので、これからはこのブログで有益な情報をお伝えできればと思います。

それでは本日もご覧いただきましてありがとうございました。

編集後記

この記事を書き終えた後調べたのですが、宝くじの1等が当籤する確率は約0.000005%。参考までに現在の銀行の普通預金の金利が約0.002%です笑

参考

厚生労働省:国民の所得や生活の状況等に関する分析②

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