【生産性】売上を上げるには?~ワークエンゲージメント~<後編>

税金・社会保険・労働関係

こんばんは、kanariyaです。

前回のワークエンゲージメントの続きになります。
ワークエンゲージメントとは仕事に対して、充実している心理状態をのことでした。ワークエンゲージメントが高ければ高いほど、健康的であり、生産性が上昇し売上等に影響するということがわかっています。

では、近年注目されているテレワークとワークエンゲージメントとの関係を見ていきたいと思います。
公益財団法人日本生産性本部による第7回働く人の意識調査によると、テレワークを実施している企業は2020年5月に31.5%とピークを迎え、そこから2021年10月現在まで約20%になっています。2020年の5月というと、ちょうど緊急事態宣言が発令されたときですので、この統計にも表れています。
一方、自宅での勤務について効率性が上がったかとの質問に対して 、2020年5月には約30%の方が上がった、やや上がったと答えています。そこから徐々に在宅勤務の慣れてきて2021年4月には約60%まで上昇するも、2021年10月時点では約45%まで下がっています。 この原因なのですが、一つはコロナ疲れが考えられています。
在宅勤務について約70%の方が満足している一方、懸念も指摘されています。例えば、部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備、Wi-Fiなど、通信環境の整備。情報セキュリティの問題、職場でないと資料やデータの閲覧ができない、上司とも意思疎通、仕事のオンオフの切り替えの難しさ、オーバーワークを回避するための制度設計や仕組み、対人的支援が受けられにくい等があげられます。

ワークエンゲージメントに関わるところでいえば、対人的支援の重要性は見逃せません。対人的支援は仕事の量的負荷、質的負荷を軽減するといわれています。つまり、周囲からのサポートがあれば、多少困難な仕事においても心理的ストレスを感じにくくなり労働者の活気が生まれます。

また、支援の互恵性とストレス反応には相関関係があります。支援の互恵性が低い(自分は他人にこんなに尽くしたのに相手からの見返りが少ない状態)では怒りがストレス反応として現れます。一方、支援の互恵性が高い(たくさん人に支援してもらった場合)には罪悪感を覚えます。これもストレスが高くなる原因の一つとなり得ます。
人間の心理として返報性の原理があります。これは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情をを抱くこことです。つまり過大利得はストレスの原因となりうるということになります。

テレワークのメリットは仕事と家庭のバランスの向上(特に小さなお子様のいる家庭では優位には働く傾向にあり)、通勤時間の削減(満員電車からの解放からの解放はめちゃくちゃ助かりますよね)、柔軟な働き方(労働者の好みに応じた場所、時間、方法など)、対人不安が大きい労働者は、対人交流の回避等があげられます。

一方、テレワークにもデメリットは存在します。例えば、同僚との直接的な交流の減少、孤独感、疎外感、社会的援助の欠如、孤独に伴うフラストレーション、自宅にいると近所から失業者と思われる、仕事へのコントロール感の喪失(常に仕事をしている感覚、休憩時間の欠如、週末、深夜での仕事、家計のコスト上昇(電気代、通信費の負担)等があります。
テレワークが可能な環境でも、一概にはメリットを享受できるということはないということですね。

最後に在宅勤務希望のミスマッチがメンタルヘルスに影響を及ぼすというものです。
在宅勤務を希望する人では。在宅勤務の回数が増えるほど精神的負担が減少しました。一方、在宅勤務を好まない人では、在宅勤務の回数が増えるほど精神的負担が増えることが判明しました。
みながみな在宅勤務を希望しているわけではないということですね。
もちろん業種にもよりますが、在宅勤務をしたくてもできない役職の方もいれば、在宅勤務制度自体を認めないという企業までさまざまです。
在宅勤務は労働時間の管理が煩雑になってしまうことが懸念されますが、フレックスタイム制の導入や定期的にはみなが出社して交流を図ることは大切になるのだと思います。
会社の社長さんや人事労務担当の方は難しい課題に直面していると思いますが、ある意味働き方について考えるいいきっかけになるのかなとは思っています。ワークエンゲージメントを高めるには、個々にあった働き方が求められるということです。
多少息抜きの時間を設けてもいいじゃないですか、ちょっとした手抜きをしてみたり、逆に他人の手を借りることも重要だと思うんです。これを機に改めて働き方について職場全体で考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。はじめは難しいかもしれませんが、新しい発見が生まれることも多々あります。ワークライフバランスが確保できて、仕事のときは集中できるようになったというのはあちこちで耳にします。企業とは売上を如何にして上げるかが至上命題と言っても過言ではありません。人事構築制度が難しいという方はいつでもご相談もお待ちしています。

ちなみに、テレワークが普及しだしてから肩こり、腰痛を覚える方が急増しているようです。最近肩こりがどういうものがわかってきました。いい椅子とデスクは投資だと思って購入の検討をお勧めします。

それでは本日もご覧いただきましてありがとうございました。

参考: 公益財団法人日本生産性本部 日本の労働生産性の動向2021厚生労働省労働経済白書

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