事件発生
2023年6月5日、株式会社エムケイシステムが展開する「社労夢」がランサムウェアによる不正アクセスを受けていることが判明しました。
正確には、同日時点では接続障害が発生しているという表現をしており、ランサムウェアという言葉を使ったのは翌6月6日のIRであり、一般向けへのお知らせにはランサムウェアによる障害ということは隠していたように思います。
社労夢は社労士業界の人で知らない人はいないであろう業界トップを占めている業務管理システムのことであり、2023年4月1日現在、2,754の社労士事務所で利用されており、管理事業所数は569,914事業所、給与利用事業所数111,674事業所、年間電子申請数3,662,306件、社労夢で管理する在職者数8,262,031人、帳票数286帳票、継続率99.7%と数字で見ても高いシェア率であることは容易に伺えます。
影響
社労夢の魅力は何といってもオールインワンで電子申請が行えることでしょう。社会保険や雇用保険、労働保険等の手続き、労働保険事務組合、給与計算までを含めたクラウド型オールインワン電子システムということで、複数のアプリを立ち上げなくてもこれ一つで完結できるという利便性にあります。(とはいえe-Govでの申請に頼ることはありますが。)
私がかつて勤めていた事務所は、手続きはセルズというソフト、給与は弥生給与というソフトを別々に使用してました。個人的にはセルズは使いやすいと思っていましたし、弥生給与も給与計算ソフトとしては十分に利用することができていました。(セルズは少しクセが強いかなと思うこともありましたが。)
どの業界でも同じで、やはり、一つでことが足りるというのは仕事をする上で効率性が全然違うというのは言うまでもありません。
私見
今回の件ですが、エムケイシステムはシステム会社として上場までしている企業であり、4月のシステム障害のことも踏まえると、少しおざなりだなと感じてしまいます。またIRの説明や、自社サイトにおける現状の報告が遅いと思います。今回対応が遅れているのは身代金を支払わなかった可能性が高そうですね。
6月11日19時時点で最終更新は6月9日の18時となっており、全データ復元完了は6月10日10時というお知らせがありましたが、今現在それについても触れられておりません。
6月は通常業務に加えて年度更新、算定基礎、賞与など、社労士にとっては繁忙期になります。また、お客様から今月の給与計算はどうなるのか、個人情報流出の可能性はあるのかといった問い合わせが出てきています。エムケイシステムは情報の流出はないと言っていますが果たして。。。
とはいえ、給与計算や賞与の納期は待ってくれないわけで、ひたすらExcelで前月分の支給控除一覧表を参考に計算しております。FBデータを作成しているお客様はどうしたらいいの非常に困惑しています。
ところで、これを機会にオフィスステーションがめちゃくちゃ営業をかけているみたいですね。これを機に社労夢から別会社に乗り換える事務所はどのくらいあるのでしょうか。
社労夢以外のソフトを使っていらっしゃる先生方、社労夢を使っていてアクセスが出来たなどの情報がありましたら是非ご共有いただけますと幸いです。
コメント