こんにちは、kanariyaです。
昨日から、岸田内閣が誕生し、「説明」という言葉を頻繁に口にしていたのが印象的でした。
その言葉通り「声をかたちに、信頼ある政治」いうスローガンを掲げています。
そして、政策の一番として掲げているのが「新型コロナウイルス」対策です。
具体的には、
・ワクチン接種の加速・・・11月中の希望者全員の接種完了。
・年内のコロナ経口薬普及のための支援
・徹底した人流の抑制。
・病床・医療人材の確保
の4つを掲げています。
また新閣僚として、初入閣の方を多く配置し、人事を一層しました。
岸田総理は自民党の最古参派閥の宏池会出身ですね。
その宏池会のメンバーからワクチン接種推進担当大臣として河野氏の後任として堀内詔子氏を任命しました。もちろん初入閣です。
私の立場としては、ワクチン以外にもやはり経済、雇用状況も何とかしてほしいと思っています。
さて、初めて政治関係のネタに触れたので、そろそろタイトルの回収をしたいと思いますw
今回も労働法の分野から、未払賃金の立替払制度というものがあります。
これは、「賃金の確保等に関する法律」基づき、企業の倒産に伴い賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた場合、その未払賃金の一部を政府が事業主代わって立替払をする制度です。
この制度を受けることができる方は次の要件を満たした方になります。
1.労災保険法の適用事業で1年以上事業活動を行っていた事業主」(法人、個人は不問)に雇用され、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者(労働基準法第9条の労働者)であった方。
2.裁判所への破産手続開始等の申立日(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署に対する事実上の倒産の認定日(事実上の倒産)の6か月前の日から2年の間に当該企業を退職した方。
※退職後6か月以内に裁判所への破産開始等の申立て又は労働基準監督署長への認定申請が必要。
3.未払賃金金額等について、破産管財人等の証明(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署長の確認(事実上の倒産)を受けた方
実際に立替払の対象となる未払賃金は、退職日の6か月前の日から独立行政法人労働者健康安全機構(以下機構とします)に立替払請求の前日までの間に支払期日が到来している定期賃金及び退職手当です。また、未払賃金の総額が2万円未満は対象になりません。(立替払の対象にならないものとして、賞与その他臨時的に支払われる賃金、解雇予告手当、賃金の遅延利息、年末調整の還付金、慰労金等はです。)
立替払される金額は未払賃金の100分の80です。そして、対象となる賃金総額は退職日の年齢による限度額があり、45歳以上の方は370万円(上限額296万円)、30歳以上45歳未満の方は220万円(上限額176万円)、30歳未満は110万円(上限額は88万円)です。
そして実際の請求手続きは法律上の倒産の場合はと事実上の倒産の場合には異なります。
前者の場合は、破産の場合は破産管財人、特別清算の場合は清算人、民事再生の場合は再生債務者(管財人)、会社更生の場合は管財人となります。
破産管財人等証明者から証明書が交付されたら、立替払請求者は「立替払請求書」及び退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に必要事項を記入し機構に送付します。
一方後者の場合は、労働基準監督署に対して、当該事業場が事業活動を停止し、再開の見込みがなく、かつ、賃金支払能力がない状態になったことについて認定の申請をします。認定の申請は、当該事業場を退職した立替払請求者が2人以上いる場合は、そのうち1人が認定を受ければ足り、その効果は他の退職労働者にも及びます。
労働基準監督署から認定通知書が交付されたら、立替払請求者は労働基準監督署長に対して「立替払請求書」及び「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に必要事項を記入し機構に送付します。
請求書も申告書も簡単に書けます。法律上の破産の場合には破産管財人として弁護士が就くことが多いので認定は事実上の破産の場合よりスムーズに進むことが多いと思います。
この立替金制度ですが、令和2年度の実施状況について、企業数1,791件(対前年度比10.0%減)、支給者数23,684人(対前年度比1.3%減)、立替払額84億1,100万円(対前年度比2.6%減)となっており、いずれも減少傾向に向かっています。ちなみに平成23年は企業数3,682件、支給者数42,637人、立替払額199億5,106円です。
10年前(2010年)と比べて現在は約半分以下となっています。他の年も多少のばらつきはあるものの減少傾向にあるんですよね。2010年といえば日本年金機構の発足が一番に浮かびますが、他に経済界でなんかありましたっけ?ちなみに東日本大震災が起こった2011年の情報が反映されているであろう2012年(平成24年)も前年度より減少しています。
コロナ禍の現在、今後増えていくのかなと思ってはいますが、以前ほど急増する可能性は低そうです。
ちなみに、実際に立替払を支払い等の実務は機構が行います。プチ情報ですが、労働基準監督署と機構のやりとりはほぼありません。もちろん、退職者の相談等には乗りますし、認定等は労働基準監督署長となっていますが、そのあとは機構に丸投げということですね。
中々知られていない制度なので、もう少し周知活動をしてもいいと思うのですが、労働基準監督署は現存の企業の調査等を優先するので(彼らにもノルマがありますので)どうしてもそこまで手が回らないのでしょうね。そもそも労働基準監督官の人数が足りていないいううわさもあったり・・・
とまあ、しばらくコロナ禍の影響は続くでしょうし、今後の事業主の経済活動にも注目しながら最新の情報があったらこのブログでお伝え出来ればと思っています。
それでは、本日もご覧いただきましてありがとうございました。
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